【第4回】観察・アセスメントのための「スケール」のつけ方・使い方/各論2.GCS(Glasgow coma scale、グラスゴー・コーマ・スケール)/1.スケールの概要
各論2.GCS(Glasgow coma scale、グラスゴー・コーマ・スケール)/1.スケールの概要
執筆●佐野成美
聖路加国際病院 救命救急センター(救急看護認定看護師)
1.スケールの概要
①GCSとは
GCS(表1)はTeasdaleら1によって開発された意識レベルを評価するスケールの1つで、世界的によく使用されています。
「開眼」「発語」「運動」の3項目を評価するので、開眼による覚醒状況だけではなく、発語や四肢の動きの状態も把握できます。
JCS(各論1)に比べ、評価にやや時間を要しますが、「覚醒状況」「発語の様子」「運動機能の様子」それぞれで評価するので、患者の全体像がよりわかりやすくなります。
■表1 GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)
②GCSの使い方
GCSは「1.開眼(eye opening:E)」「2.発語(best verbal response:V)」「3.運動機能(best motor response:M)」の項目に分かれています。
さらに「1.開眼は4段階(1~4点)」「2.発語は5段階(1~5点)」「3.運動は6段階(1~6点)」からなり、それぞれの項目内で患者の反応に該当する点数を挙げます。そして3項目の合計点数で意識レベルを評価します。合計点数15点が意識清明の状態、14点は軽症、9~13点が中等症、3~8点が重症な意識障害という評価になります。
GCSはなお気管切開や気管挿管施行中の場合は発声ができないため、発語の項目には「T」と表記します。
■(参考)
③GCSの前提
合計点数が同じであっても、どの項目の点数が低く、どの項目の点数が高いかの違いで、患者の状態が異なります。そのため記録に残したり人に伝達したりするときには、合計点数だけではなく「E:3 V:4 M:5 合計12点」というように、各項目の点数も表現することで、患者の状態がよりわかりやすく伝わるようにします。
また、運動機能の項目では「最良」の部分を評価します。四肢のどこかに麻痺があるような場合でも、“一番反応のよい”運動部位のみで評価するため、具体的な麻痺の部位や程度を評価するものではないことに留意します。
採点ポイント
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①“開眼”では「E:2」「E:1」の鑑別に、痛み刺激を加える
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②“発語”をみるためには、見当識を問う声かけをする
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③“運動機能”をみるためにはまず「指示」。指示に反応がなければ 「痛み刺激」を加える
〈引用文献〉
1 . Teasdale G,Jennett B,et al.:Assessment of coma and impaired consciousness:A practical scale.Lancet 1974:81-84.
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