「インオアユー」とナースリーのコラボレーションができるまで
はじめに
障がいのある方たちが創り出す魅力的なアートと出会いました。
それには、”たすけてあげる”ではなく「すてきだなと思ったアイテムにたまたま障がいのある方がかかわった」という自然な需要と供給が生まれる予感がしました。
障がいのある人と社会をつなぐ、新しいきっかけのひとつになれば嬉しい、そんなコラボレーションを始めます。
はじまりの話
- こんにちは。
ナースリー企画室です。
あるとき、いつもお世話になっているタキヒヨー株式会社の中山さんから、
「ナースリーさんはこんなイラスト興味ありませんか?」と城さんが描いた素敵なアートのご紹介がありました。
その大胆なタッチと、カラフルな色使いにすっかり魅了された、ナースリー企画チーム。
と盛り上がり、即連絡してコラボアイテムをつくることになりました。
インオアユーとのコラボのはじまりは、城さんのアートへの興味からでした。
そこから企画を進めるにあたって知り合った、城さんや城さんを取り巻く環境はとても素敵で、ぜひみなさんにも知ってもらいたくて、完成するまでの様子をコラムでお伝えしていこうと思います。
コラボ企画が出来上がっていくその過程も含めて、楽しんでいただけると嬉しいです。
こんなメンバーではじめます!
ナースリーからはウエア担当の本郷と、雑貨担当の上田・草苅、
城さんの作品を紹介してくれたタキヒヨー株式会社の中山さんとの打ち合わせからスタート。
最初のお打合せは、ひたすらイラストのかわいさを称賛するナースリースタッフの姿…
(現に本郷は、個人的に城さんのアート購入ができるのか??なんて聞いていました!)
そして、城さんが活動する就労継続支援B型「アストルテ」代表の石丸さんを含めた3社がリモート会議でお顔合わせ。
この時にお話しした、コラボアイテムへの想いやこだわりについては後程お話するとして、
まずはアートの作者の城さんにお会いしたいということで、長崎県まで取材にお伺いした時の様子をお伝えしたいと思います。
はじまりのはじまり
当初、中山さんは城さんの作品が描かれたポーチや、
実際の作品のイラストをナースリーの事務所までわざわざ名古屋から持ってきてくれました。
ナースリー
:このイラストをナースリーに紹介してくれたきっかけを教えてください。
中山さん:
2年ほど前に、他の案件でTシャツやバッグをつくっていた時に、
城さんの作品を取り上げたところから始まりました。
コロナ感染の最中で、本来ならばもっと広く展開予定だった店舗がなかなか拡がらなくて。
「すごく良い作品なのにもったいないな」っていう私の想いが強かったんですね。
そんなときに、ナースリーさんにそのお話や城さんの作品を見せたところ、非常に興味を持っていただいて。
私自身も病院に行くことがあったのですが、看護師さんが身に着けているものを見たときに、ポップで楽しくなるような商品があるといいなと思っていたこともあり、今回の取り組みにつながりました。
実際の病院で感じた体験から、想いを話してくれた中山さん。
こんな取り組みにしたいね
① 制作経緯とアートについて
-
就労型支援事業やアートをグッズ化するお取り組みを
始めた経緯を教えていただけますか?
-
全体でいうと、いま本当に仕事も増えてきて、働き方も増えてきて、
ライフスタイルも多様化しているのに、こういった彼女たちの才能を活かした働き方って実現しにくいんです。
それなので、例えばこういった作品が生まれて、「あ、いいよね」と言われて、その先に企業さんとの協業だったりとか、自分たちがもうひと手間加えることで、
もっとみんなが喜んでくれるものに変われば、いま彼女たちが好きでやっていることが、彼女たちのライフスタイルとしてちゃんと「生きていく」というところにつながる。
そういう想いもあって、こういった取り組みがスタートしました。
-
すごく素敵ですよね。
私も前職の環境で何人か就労支援で入られていた人とはお仕事していましたが、ものを一緒に創るっていうことは無かったので。
石丸さんが話されたことはとても素敵なお取り組みで、さらにそれが気負わずに日常として、看護師さんたちが「これいいな」と思ったものとして着るとか、持つとか、ナチュラルな導線ができて素晴らしいと思います。
-
それが一番うれしいですよね。
背景を知って応援してくださる活動はもちろんとても嬉しく思うんですが、
もっと広がるためには、こうやっていろいろな方と繋がって、いろいろな角度から商品・作品が流れていくっていうことが、一番自然に彼女にとっての持続可能な創作活動の実現につながると思います。
-
慈善活動みたいになってしまうのは私たちも違うと思っていて。
看護師さんたちも社会的な意識とか、ご自分たち自身もそういったお仕事をされているので、お話ししていると社会意識の高い方たちが多いのですが、そこに「これです」といって商品をだしたときに、その商品の完成度が低くて満足いかないものであっても、”買ってください””応援してください”という感じなるのは違うと思っています。
「自然に素敵だな」って思ってもらえる商品を提供したい。
ただ、よく知ってみると、実はこういう背景のところと繋がっていたというのを目指したいなと思って。 いまSDGsの流れでいろいろな企業からのご提案はあるのですが、やはり自分たちが欲しいなって思うもの以外はちょっと出来ないなと。
そんな中で、今回すごく素敵なイラストやお話がきたので。(取材に)行くまでは、事前にホームページも拝見してそれなりにイメージは出来ていたのですが、(自分たちのイメージでは)事業所でシンプルなところに入られて、皆さんもちょっと作業されて、というようなイメージがどうしてもあったのですが、ここ(アストルテの事業所)は壁もアートがあってとても素敵で、完成度の高い商品もたくさん並べられていて。
想像を上回る明るく素敵な環境で、こういうところならナチュラルにアート活動ができるのかなと思いました。この事業に着手されたのが素晴らしいと思いました。
-
そうですね。本当に最初の最初でいうと、僕らはいま障がいのある方が、
どうやって生きていくかっていう就労のスタイルをいっしょに探っていくという支援になるんですが、12年前に始めたときには、当時まだ若年世代の障がいのある方の、働くこととか生きることとかに対するニーズを広げていく環境が少なかったんですよ。
それでこうやって話したり、家族と話したりすると、そこには「こういったライフスタイルをいっしょに作り上げていける環境が必要だ」とか、あとは「自分は将来漫画家になりたい」という方がいたりとか。
でも障がいがあると問答無用で、「いや、あなたにはこういう仕事だよ」と夢にチャレンジするプロセスを経験せずに就職を押し付けてしまうような環境が多かったように思います。
それで、本人の希望と才能を活かした働き方を一番実現できるような仕組みが必要だろうと。その流れで、例えばアストルテであると、当時マルシェが流行り始めたときに、「マルシェで売ることができるようなもの作りがしたいよ」と声が出たとき、「じゃあここでできるもの作りはなんだろう」と考えて、製品であったりアクセサリーであったりをつくる。
これをもっと仕事まで昇華することで、さっきナースリーさんが言っていたような品質が低いもの作りであると、彼女たちがこれを糧に生きていくことが実現しにくいので、品質をどこまで高めていけるかというのを今みんなで一緒になってやっています。
-
一人一人の方と向き合わないと、その方の特性とか特性の幅も広いので、
地道に大変な仕事なんじゃないかなと思います。
-
何が向いているかを見つける前に、何かを新たに経験できる機会づくりを大切にしています。その中でご本人さんがどういった気づきや感想を抱くのかを一緒に探っていきます。
城さんのお母さんからは「家でこれだけやっていて、ここ(アストルテ)に行くとこういうものが出来ていく」と教えてもらったり。
じゃあ、そういう方向で一緒にできることも増えるよねみたいなところで進めるので、比較的(彼女たちの特性を)見つけるまでの手探り感は確かにあるんですが、いっしょに広がりを楽しんでいただけるようなコミュニケーションの場になっています。
- とても素敵ですね
今回は石丸さん(アストルテ)、中山さん(商社)、
ナースリー(企画室)の思いをそれぞれお話しました。
次回のコラムでは、城さんご自身と城さんのお母さま(とても素敵な方たちなんです!)、
また城さんがどのようにイラストを制作しているのかをつづっていきたいと思います。
ぜひ楽しみにしていてください。(つづきます)
店舗併設の就労支援施設。「ローププロダクト」「アクセサリー」「ファブリック」「刺し子」を軸とし、そのデザイン・生産・販売を手がけ、建物1Fのショップにてそれらを販売。
また就労支援事業所「ASUTORUTE(アストルテ)」の運営も行い、多くの方が製作の場で活躍しています。
「集中力」や「こだわり」などの特性を、細かな技術が要求されるクラフトやデザインに活かし、技術で自分の生活を確立できる場所です。
記事カテゴリー
看護師転職・キャリアネクスト
看護師転職・求人・募集なら
看護師通販シェアNo1のナースキャリアネクスト
休日条件や住宅手当、託児所有無など様々な条件にマッチした厳選の求人情報がお探しになれます。今すぐ!無料会員登録